
アウフタクトを知っていますか?
その単語を知らなくても、今までたくさん接して来たであろう物です。
今回のレッスンでは、アウフタクトの説明と例、決まりごとを説明します。
強拍と弱拍
2拍子や3拍子、4拍子などさまざまな拍子がありますが、それらの一拍目は「強拍」とされています。
そしてそれ以外の拍は「弱拍」(4拍子では中強拍もある)とされています。
これ、実際にその拍が強く演奏されるわけではなく、ちょっとややこしいかも知れませんね。
とにかく1拍目が強拍なのです!
強拍と弱拍を図にしてみました。

アウフタクトとは?
さて、「蛍の光」の歌い始めの部分を思い出してください。
または「大きな古時計」「アメイジング・グレイス」などでも良いですね。
そしてそれに合わせて指揮をしてみてください。
歌い始めと指揮の「1」が合わないですよね。
このように、1拍目つまり強拍以外から始まるものを「アウフタクト(弱起)」と言います。
アウフタクトの曲の例
実際の曲を見てみましょう。
1例目は「大きな古時計」。
4拍目から始まっています。

2例目は「おめでとうクリスマス(We wish you a MerryChristmas)」。
3拍目から始まっています。

他にも「仰げば尊し」「小さな世界(It’s a small world)」「別れの曲」「ショパンのノクターン(9-2)」「トルコ行進曲」「エリーゼのために」など、パッと思いつくだけでもたくさんたくさんあります。
アウフタクトの決まりごと
さて、実はとても馴染み深かったアウフタクトですが、ちょっとした決まりごとがあります。
以下の二つは、聴音にも関係することなので覚えておいてください。
その1:終わりの小節の拍の数

アウフタクトの曲では、最後の小節の拍数は、最初のアウフタクトの分だけ短くなります。
上の例では、アウフタクトが一拍なので、最後の小節は三拍になります。
その2:小節数の数え方

アウフタクトの曲では、最初の小節(=拍数の足りない小節)は小節数にはカウントせず、次の小節から第一小節と数えます。
上の例の小節数は、4小節です。
アウフタクトのヒントと余談
アウフタクトのヒント
アウフタクトの曲は、曲の最初だけでなく、その後に続くフレーズも弱起である場合が多々あります。
試しに「まきびと羊を」を見てみましょう。

2小節だったり4小節だったりのフレーズが弱起になっており、このリズムがこの曲の特徴となっています。
アウフタクトの余談
上記「アウフタクトの決まりごと」で、最後の小節の拍数はアウフタクトの分短くなると書きました。
理論上ではそうなのですが、実際の楽曲ではアウフタクトで始まっているのに最後の小節は拍数が拍子通りにある(4/4拍子ならば4拍)という物も多いです。
練習問題
問題1
ハ長調
4/4拍子
4小節
*アウフタクト

問題2
ハ長調
4/4拍子
4小節
*アウフタクト

問題3
ハ長調
3/4拍子
4小節
*アウフタクト
*カウントは2小節あります。

おわりに
以上、アウフタクトのレッスンでした。
世のいろいろな曲を聴いてみると、アウフタクトの曲ってジャンルを問わずとても多いです。
J-POPなどでも、イントロは強起であっても歌い出しがアウフタクトだったりします。
ちなみにアウフタウトはドイツ語で、Auftaktと綴ります。