これまでハ長調とイ短調を学びましたが、今回は新しくヘ長調を見てみましょう!
長音階のおさらい
すっかりお馴染みのハ長調長音階を、もう一度あらためて見てみましょう。
隣同士の音が、全音のところと半音のところがありましたね。
そしてそれらの並び順(=音列)こそが、長音階なのでした。
これを踏まえて、ヘ長調を見てみましょう♪
ヘ長調とは(1)鍵盤で確認
「ヘ」は、ドレミファソラシドのどの音か分かりますか?
レッスン2ハ長調で紹介した音名を、もう一度見てみましょう。
そう、「ヘ」=「ファ」です。
そしてヘ長調とは、ヘ調長音階を用いて作られた楽曲の調のことです。
ではヘ調長音階を見てみましょう!
ヘ調長音階
ヘ調長音階とは、ファの音を第一音とする長音階です。
ではまず、ファから順番に音を並べて、ハ長調と比べてみましょう。
どうですか?
全音と半音の配列が異なりますね。
低い音から見ていってみると、第3音と第4音の間が違います。
長音階ではここが半音であるべきなのですが、そうするために第4音を半音下げてみます。
お、これで同じ音列になりましたね。
つまりヘ長調では、「シ」の音を半音下げて黒い鍵盤を使うことになります。
ヘ長調とは(2)五線で確認
さて、へ音(=ファ)を第一音とする長音階は、「シ」の音を半音下げれば良いと分かりました。
これを五線に書くとどうなるでしょうか?
レッスン6:♯♭♮ 臨時記号と調号で紹介したように、半音低くする記号は「♭(フラット)」です。
というわけで、シの音にフラットを付けてみましょう。
これでヘ長調の長音階を書けました。
しかし、この楽譜はヘ長調では無いのです!
ここでようやく調号の出番なのです♪
調号はト音記号など音部記号の右に書きます。
ヘ長調では五線の「シ」の位置に♭を書きます。
こうすることで、全ての高さの「シ」の音が「♭シ」になります。
そしてこれがヘ長調なのです。
調号についての補足
ヘ長調の練習に入る前に、少し補足です。
調号と拍子記号の書き方の決まり
書く順番(位置)は、音部記号→調号→拍子記号になります。
そして、調号は五線の段が変わっても常に書きます。
拍子記号は、曲の一番最初にのみ書きます。
(途中で拍子が変わる場合は、もちろん途中で拍子記号を書きます)
シの♭を無効にしたい時は?
ヘ長調の音階構成音のシはフラットの付くシ(黒鍵盤のシ)ですが、白鍵盤のシを使いたい場合もあります。
そのような時は、臨時記号のナチュラル(♮)を付けます。
臨時記号なので、その小節の、その音高にのみ有効です。
臨時記号については以下のページに書いています。
ヘ長調の練習
それでは実際にヘ長調の曲の練習をしてみましょう。
音源を聴きながら、メロディーを「ドレミ」などの音名で歌ったり口ずさんだりしてください。
1曲目
ヘ長調の音階を上ったり戻ったりする練習曲です。
2曲目
3度音程の練習です。
音程についてはこちら
ヘ長調の主要な3つの和音
和音についてはこちら
初級レッスン9:ちょっぴり和音を知る(1)知識編
初級レッスン10:ちょっぴり和音を知る(2)実践編
ハ長調の時と同じように、音階の音に3和音を作ってみます。
(ⅤはⅤ7も重要なので、4和音にしました)
そして主要な1、4、5でⅠーⅣーⅤ7ーⅠを書いてみると…
これを踏まえて、和音を感じながら練習曲を聞いてみましょう。
メロディーの後ろに和音を小さく鳴らしています。
もう1曲、和音構成音だけで作ったメロディーです。
ヘ長調の有名な曲
誰もがきっと聞いたことのあるヘ長調の有名な曲…
ここではシューマンのトロイメライを挙げます。
楽譜付きの動画を見つけたので、ぜひ音符を追いながら聴いてみてください
練習問題
さあ、ヘ長調の練習問題にチャレンジしてみましょう。
まだ習いたてホヤホヤなので、やさしい問題にしています♪
問題1
ヘ長調
4/4拍子
4小節
主音である「ファ」の音の近場を動いた曲でした。
問題2
ヘ長調
3/4拍子
4小節
主音「ファ」から音の階段を下がって戻る、みたいな動きです。
問題3
ヘ長調
4/4拍子
4小節
最後は少しレベルを上げました。
1小節目はⅠの和音の構成音だと気づきましたか?
おわりに
以上、ヘ長調のレッスンでした。
今後のレッスンでもヘ長調の課題曲を取り入れつつ、少しずつレベルアップしていく予定です。
まずは
・「ファ」から始まる長音階である
・「シ」が♭になり、調号が付く
ということをしっかり理解して覚えておいてくださいね。