
聴音初級レッスンでの最後の調は、ト短調です。
早速始めましょう♪
ト短調とは

過去にト長調を学びましたが、今回はト短調です。
「ト」=「ソ」の音。
ト短調とは、ト調短音階によって書かれた楽曲の調のことです。
ではト調短音階を見てみましょう!
ト調短音階
ト調短音階は、「ソ」の音を第一音として作られた短音階です。
そしてト音を第一音として短音階を作るには、「シ」と「ミ」の音を半音下げる必要があります。
というわけで、ト短調はフラットを2つ調号に持ちます。
そして短調には3種類の音階がありましたね。
早速見て行きましょう♪

ト短調の主要な和音
和音もチェックしておきましょう。
まず、ト短調の音階の上に3度ずつ音を重ねて和音にしてみます。

主要な3つの和音(Ⅰ、Ⅳ、Ⅴ7)を使ってパターンを作ってみましょう。
その1

その2
「その1」と異なるのは、3小節目前半のみです。
どちらも低音は「レ」ですが、その1ではⅠの和音、その2ではⅤの和音です。
これらの違いも感じ取ってみてください。

ト短調の練習
ト短調の音階と主要な和音をチェックした次は、ト短調に慣れるための練習をしましょう♪
音符を見て、音を聴いて、そして必ずドレミで歌う(もしくは歌っているつもりで譜読みして呟くなど)してくださいね。
1曲目
音階を主体にしたメロディー。

2曲目
ト短調の主要3和音であるⅠ、Ⅳ、Ⅴ(Ⅴ7)の構成音だけで作ったメロディ。
Ⅰ、Ⅳ、Ⅴ(Ⅴ7)をそれぞれ色分けしています。

3曲目
ヘ音譜表も練習しておきましょう♪
低音「ソ」から1オクターブ以上上まで上って行き、徐々に下がって低音「ソ」に戻っています。

4曲目
和声短音階の独特の増2度(♭ミー♯ファ)の響きを感じてください。

ト短調の有名曲
私は中学校時代に音楽の授業で聞いた「魔王(シューベルト)」が強く印象に残っているのですが、皆さんはいかがでしょうか。
「お父さん お父さん 魔王が今 坊やをつかんで 連れてゆく」
この緊迫感やおどろおどろしさに、普段音楽の授業に身の入らない男子生徒までもが惹き込まれているようでした。
下記のYouTubeは譜面も掲載されているので選びました。
練習問題
ではいよいよト短調の聴音にチャレンジしましょう♪
1問目
ト短調
3/4拍子
4小節・ト音譜表

音が少し跳躍しますが、1、2小節目は共にト短調の主音(第一音=「ソ」)からの跳躍なので、比較的分かりやすいかとおもいます。
2問目
ト短調
4/4拍子
4小節・ト音譜表

休符の前後はそれぞれ同音であることに、すぐに気付きましたか?
3問目
ト短調
4/4拍子
4小節・ト音譜表

4拍子は3拍目の頭を明確に記すことが基本ですが、2小節目と4小節目のような四分音符と二分音符でのシンコペーションでは、上記の書き方でOKです。
4問目
ト短調
4/4拍子
4小節・ト音譜表

リズムに変化をつけるなど、少し難易度を上げました。
5問目
ト短調
3/4拍子
4小節・ヘ音譜表

ヘ音譜表の五線中に書き込める「ソ」は2音ありますが、高さは迷わず書けましたか?
もし「『ソ』は分かるけど、その高さが自信がない」という人は、自分が発声出来るかどうかを想像してみてください。
ヘ音譜表の第4間の「ソ」(高い方)は、男女ともほぼ発声できる音ですが、第1線の「ソ」(低い方)は、大多数の人には難しい低音になります。
おわりに
以上、ト短調のレッスンでした。
そして聴音初級レッスンで扱う、すべての調のレッスンを終えました。
以降は復習を兼ねた練習問題になります。
苦手があればそれを把握し、難しかった課題は歌って復習し、次に続く中級に進んでみてください。
レッスンお疲れ様でした!