もっと高い音、もっと低い音
前のページ「五線と加線」では、五線に収まらない高さの音符は加線を使って記すと説明しました。
が、加線が多すぎると読みにくい楽譜になってしまいます。
さらにスペースも食い、上下の段の五線にもい干渉してしまいます。
こんな時に使うのが、これから説明するオクターブ記号なのです。
ちなみに単音での記譜の場合、加線は上下共に第5線くらいまでが限度です。
オクターブとは
オクターブ記号を見る前に、オクターブとは何なのかを説明しましょう。
例えば
♪ドレミファソラシド
には、「ド」が2つ出てきますね。
このように、ある音からその上(または下)の同じ音名との音の距離をオクターブといいます。
単に「オクターブ」と言った時は、通常1オクターブを示しますが、他にも2オクターブ、3オクターブ、それ以上のオクターブもあります。
オクターブ記号
上の記号、きっと見たことがあるのではないでしょうか?
そう、これがオクターブ記号です。
加線が五線の上にも下にも付くように、オクターブ記号も上にも下にも付けられます。
それぞれを見てみましょう。
オクターブ高くする時の記号
オクターブ高くしたい場合は、音符の上にオクターブ記号を記します。
オクターブ記号は「8va」「8va alta」「8」がどれも同じ意味で使われます。
ちなみにこれらは、All’ottava alta(アロッターバ アルタ)の略です。
これらが書かれた音符は、記譜よりも1オクターブ高く演奏するので、下記のようになります。
オクターブ低くする時の記号
オクターブ低くしたい場合は、音符の下にオクターブ記号を記します。
オクターブ記号は「8va」「8va bassa」「8」がどれも同じ意味で使われます。
ちなみにこれらは、All’ottava bassa(アロッターバ バサ)の略です。
これらが書かれた音符は、記譜よりも1オクターブ低く演奏するので、下記のようになります。
オクターブ記号の注意事項
All’ottava alta(高いオクターブ)は、ヘ音譜表に使ってはいけません。
All’ottava bassa(低いオクターブ)は、ト音譜表に使ってはいけません。
実際には販売されている楽譜でも使われていることがありますが、基本的には適した音部記号で書くのが正解です。
(音部記号やト音譜表などについてはこちらのページ参照)
その他(1)2オクターブ
1オクターブでなく、2オクターブ高く/低く奏する指示の記号もあります。
1オクターブの時は「8」の数字が使われていましたが、2オクターブでは「15」です。
「ド」レミファソラシドレミファソラシ「ド」
2オクターブの隔たりは15音ですからね♪
上図のように「15ma」になります。
「va」ではないので注意します。
その他(2)オクターブ同時に
本ページのテーマとは逸れますが、オクターブ関連でもう一つ。
coll’8va alta(Coll’ottava alta/コロッターバアルタ)という記号で、これは「高いオクターブと共に」という意味です。
同様に、「低いオクターブと共に」という意味のcoll’8va bassaもあります。
coll’8va altaは音符の上に、coll’8va bassaは音符の下に書きます。