ト音記号・ヘ音記号ほか

音楽をするならこれだけは知っておきたい!
そんな楽典(音楽理論)の基礎の基礎を優しくシンプルに解説する「やさしい楽典」。
今回は楽譜の基本、ト音記号などについて説明します♪

音部記号

突然ですが、上画像の音符の音は何ですか?
「ド!」と思った方も、「ド?」と思った方もいると思います。
正解は…「不明」です。ズコー。

五線(または加線)上のその音が何なのか、それは音部記号の種類によって定まります。
音部記号は3種類あり、それぞれが基準になる音の位置を示します。
具体的に見ていきましょう

なお、本ページの説明では「ト、ヘ、ハ」「G,F,C」などの音名が出てきます。
音名については音名(1)のページで説明しています。

ト音記号

ト音記号

ト音記号は
ト音=「ソ」の音=G音
の位置を示す音部記号です。
主に高い音域を表すのに使われ、「高音部記号」「ヴァイオリン記号」などとも言います。

ト音記号 意味

つまりは、五線の第2線をト音(=「ソ」)にするよ、という記号です。
なので書き初めは第2線を囲むようにします(上図赤矢印)。
そして上記の音符は、ト音記号によって「ド」だということになります。

ヘ音記号

ヘ音記号

ヘ音記号は ヘ音=「ファ」の音=F音 の位置を示す音部記号です。
主に低い音域を表すのに使われ、「低音部記号」「バス記号」などとも言います。

つまりは、五線の第4線をヘ音(=「ファ」)にするよ、という記号です。
なので書き初めの小さな丸は、第4線上に書きます。(上図赤矢印)
そして上記の音符は、ヘ音記号によって「ミ」だということになります。

ハ音記号

ハ音記号

ト音記号やヘ音記号に比べ、知らない人も多いかと思います。
ハ音記号は主にヴィオラの譜面に使われる記号ですが、過去のオーケストラスコアなどでは他の楽器にもよく使われています。
まずはこれまでと同様にハ音記号の説明をしましょう。

ハ音記号は ハ音=「ド」の音=C音 の位置を示す音部記号です。
上の譜面では五線の第3線をハ音「=ド」にするよ、という記号です。
そして上記の音符は、ここでは「レ」になります。

ちなみにこの記号を手書きで書くのは大変そうに見えますが、手書きでは以下のように書くのが簡単で一番一般的だと思います。

ハ音記号 手書き

ハ音記号の特性

ここからは音大受験生でもない限り知らなくても問題のないことですが、せっかくなので。
ハ音記号は、ト音記号・ヘ音記号と大きな違いがあり、位置が固定されておらず、置く位置によって異なる名称を持つという特徴があります。
以下がその位置と名称で、書かれている音符はどれも同じハ音です。

ソプラノ記号、アルト記号、テノール記号、バリトン記号

余談

ト音記号、ヘ音記号、ハ音記号に関する話は次のページ譜表に続くので、併せて読んでください。
このページでは最後におまけです。

3つの音部記号は、そもそも何故あれらのような形なのか?
お気づきの方、ご存知の方もいるかもしれませんが、実はあれらは大元は文字なのです。

ト音記号はト音=「G」が、ヘ音記号はヘ音=「F」が、ハ音記号はハ音=「C」がそれぞれ変化して図案化されたものです。



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