さて、ここまで
拍を指で刻むこと
四分音符と四分休符
楽譜の基本
について学んできました。
このページではいよいよ音を聞き取るレッスンに入ります♪

(1)音の高さ

「ドレミ」と音程を付けて口ずさむことが出来ますか?
童謡の「チューリップ」の歌い出し「咲いた 咲いた」も「ドレミ ドレミ」です。
多くの人がすでに知っているかも知れませんが、「ド」→「レ」→「ミ」と音が高くなっていっています。

ドレミ 音の高さ

「ド」と「レ」、「レ」と「ミ」は、それぞれお隣どうしの音。
「ド」と「ミ」では、ちょっぴり遠くなります。
階段でイメージすると、一段ずつ上がるのが「ドレミ」、一段抜かしで上がるのが「ドミ」になります。
(下りも同様)

(2)楽譜とドレミ

ではその「ド、レ、ミ」を楽譜で書くとどうなるでしょうか?
レッスン2で学んだ四分音符で書いてみます。

ドレミ 音符

左から右へ、ド、レ、ミです。
「ド」は五線から離れてしまうので加線が付いています。
子どもさんへのレッスンでは、「ドにはお耳(=加線)があるのよ〜」などと教えたりもしました。
(五線と加線についてはレッスン3のページ)

「レ」は五線の第一線を天井に見立てるとシーリングライトのような感じ。

「ミ」は第一線上にあり、こちらは子どもさんへのレッスンでは「串にささったお団子」という風に説明したりもしました。

まずはこの3つの音符をしっかり覚えてくださいね。

(3)ドレミを聴こう

では「ドレミ」を耳で確認してみましょう。
「ドーレ」「レーミ」は隣同士の音、「ドーミ」は少し離れた音、ということも意識して聞いてみてください。
まだ楽譜に慣れていない方のために、
ド=赤
レ=黄
ミ=緑
での色分けもしてみました。

まずは楽譜を目で追いながら、耳で音を確認してください。

ドレミ 聴音入門

次に、音を聞きながら一緒に歌ってください。
声を出すのが憚られる環境ならば、頭の中で歌ってください。
でもなるべく「ドレミ」の発音はしてください。口の中でつぶやくだけでも良いので。
余裕がある人は、指で拍を刻みながら行ってください。

さらに、音は再生せずに、一人で楽譜を見ながら歌ってください。
特に後半2小節の「ドレド・|ドミド・」の「レ」と「ミ」の違いが正しく出来ているか注意してください。

(4)練習しよう

上の続きです。
(1)楽譜を見ながら、音を聞きながら、指で拍を刻みながら
(2)囁きや呟きでも良いので、一緒に歌いながら
(3)音を再生せずに一人で楽譜を見て歌う

という練習をしてみてください。
難しければ一気に4小節続けずに、2小節や1小節ずつで良いので、焦らず耳と目で音を確認してください。

1曲目

以降は、最初のカウント音と同時に「ド」の音が鳴ります。

聴音 初めて

2曲目

聴音 入門

3曲目

聴音 初心者

「難しい!前途多難かも!」と不安になった人、焦らなくて大丈夫です。
難しい原因が音符をすらすら読めないことにあるならば、とにかく慣れです。
楽譜の音符に自分で「ドレミファソ」などの仮名を振っている人は、今すぐその習慣を辞めましょう。
最初は大変に思うでしょうが、仮名を振っている限り、音符をすらすら読めるようにはなりません。

音の聞き分け、歌うことが難しい人は、楽譜を見て歌う練習を多めにしてみてください。
頭の中で階段をイメージしながら歌うのも良いかも。
「ド」から「ミ」は一段抜かしだから、ちょっと遠い…そんなイメージを持てたら良いなと思います。

歌うことの大切さ

例えば本当に「英語が出来る」というのは、聞くのも話すのも出来る、ということですよね。
聴音も同じで、「聴音はできるけど視唱がだめ」というのは、まだ本当の聴音の力が備わっていないのだと経験から思います。
(視唱とは楽譜を見て楽器に頼らずに歌うこと)
音大受験じゃないので、「歌っているうちに音程(音高)が下がってくる」だとか「ちょっと音痴」とかは全然良いのです。
ただ、楽譜を見て音の想像がつかないようだと、まだ聴音は練習途上だな、という感触です。

逆にいうと、楽譜を見て歌う訓練もすることで、効率よく聴音力を身につけられると思います。
元、聴音&視唱が苦手で、その後音楽の職に就き、音楽を聞き取る仕事を散々やってきた身としては、聴音と視唱は表裏一体のワンセットものだと思うのです。

(5)問題

いよいよ聴音の問題に挑戦しましょう!
落ち着いて、指で拍を刻みながら聴いてください。
演奏は一度で再生停止するので、聞き取れるまで何度でも手動で繰り返し再生してください。

レベル1

4拍子(4/4拍子)
2小節。
ト音記号の隣に拍子記号4/4を書き入れてくださいね。

聴音 問題 入門

四分休符の多い曲ですが、拍はきちんと取れましたか?

レベル2

4/4拍子
2小節

耳コピ 入門

1小節目4拍目の音と、2小節目2拍目の音が同じ高さなことが、聴いて分かったでしょうか?

レベル3

4/4拍子
4小節
前の2問より数段階難しいです。

イヤトレ 入門

音もリズムもバリエーションに富んでいたので難しいと思います。
いきなり完璧に出来なくて当たり前です。
短く区切ってでも、何度聞き返しても良いので、頑張ってみてください。

最後に、歌ってみる練習も織り交ぜてくださいね。

(6)おわりに

前回のレッスン「四分音符と四分休符」に続いて、今回は「ドレミ」を学びました。
難しさを感じた人は焦らずに、色々な練習をしてみるのも手です。
例えば「ド」「レ」「ミ」の3つの音を使って、自分でメロディーを考えてみるとか。
たった3つの音ですが、これだけでもさまざまなメロディーを作れます。
「君が代」の最初の4つの音も「ド」「レ」「ミ」だけが使われています。
「むすんでひらいて」や「とんぼのめがね」なんて、最初の2小節は「ド」「レ」「ミ」だけから成り立っています。
「アルプス一万尺」の最初の7音(半端ですが)もそう。

聴くのはもちろんですが、歌ったり作曲遊びをしたり多角的に音楽に接することも、聴音ができるようになるための良い練習になります。