五線に音符や休符を書く時には、決まりごとがあります。
とは言っても難しいものではありません。
このページでは、そんな記譜法の基本を説明します。

(1)音符や休符を書くルール

何がルールかというと、とにかく拍数を明確にするということです。
これは私なりの例えですが、
  しろいど あをあ けてなつぞ らのし たへ。
と書くよりも
  しろいどあを あけて なつぞらの したへ。
と書いた方が、読みやすくて自然ですよね?
楽譜を書くのも同様、分かりやすく書くのが大切なのです。

実際に楽譜で見てみましょうか。

記譜法 NG

パッと見はシンプルな印象ですが、拍数も拍の頭も分かりにくいです。
これを拍が分かるように書き換えると、下のようになります。

記譜法 OK

ルールって、こういうことなのです。
それぞれの拍子で実際に見てみましょう。

(2)2拍子の記譜のルール(基本)

*今までに学習した音符・休符のみで例を書いています。

記譜 基本 2拍子

2拍目の頭の位置が明確になるように書きます。

(3)3拍子の記譜のルール(基本)

*今までに学習した音符・休符のみで例を書いています。

記譜 基本 3拍子

上の×例は、2拍目と3拍目の頭が不明確です。
下の×例も、2拍目と3拍目の頭が不明確です。
このように、休符だけでなく、音符の旗の繋ぎ(「連鉤(れんこう)」といいます)にも注意します。

(4)4拍子の記譜のルール(基本)

*今までに学習した音符・休符のみで例を書いています。

記譜 基本 4拍子

上の×例は、3拍目の頭が不明確でNG。
下の×例は、2拍目頭と3拍目頭が不明確でNGです。
上と同様、音符の旗の繋ぎ(連鉤)にも注意します。

3拍目は「中強」拍

もし4/4拍子で、2拍目、3拍目、4拍目がすべて休符の時はどのように書くでしょうか?
先に正解を書くと

このようになるのですが、それは何故でしょうか?

拍子には拍の強弱があり、だからこそ「拍子」を生み出しているわけですが、これまでに学習した拍子では以下のようになっています。

どれも1拍目が「強」で、2拍目以降は「弱」なのですが、4拍子では3拍目が「中強」になります。
なので、2、4拍目よりも3拍目の頭を、より明示する必要があるのです。

(5)練習問題

今回は聴音の問題ではなく、記譜法の問題です♪

問題1

AとBのうち、正しく書かれている方を選んでください。


答えは「A」です。

問題2

AとBのうち、正しく書かれている方を選んでください。


答えは「B」です。

問題3

次の楽譜は、拍子記号の分子の部分が抜けています。
何拍子でしょうか?
また、音符と休符を正しく書き直してください。

(6)おわりに

以上、記譜法の基本についての説明でした。
今後、もっと複雑なリズムや細かい音符が出てきたり、様々な拍子が出てきたりしても、拍を分かりやすく示すという基本は変わりません。
(例外もあります。後のレッスンで書く予定です)
もし何か手持ちの楽譜を持っているならば、どのように音符と休符が書かれているか、あらためて眺めてみるのも良いと思います。