聴音が苦手な人が上達するための様々な方法を紹介する「必死の聴音」。
今回はリズムパターンをモノにしてしまおうというテーマです。

音の高さに集中するために

聴音や耳コピで難しかったり苦手だったりするのは、やはり「音の高さが分からない」ことがほとんどだと思います。
聴音や耳コピに対する労力を、その「音の高さ」に全力投入するために、他の部分で手間取らないようにしておきたい。
「音高も難しい、リズムも書くのに迷う」というのでは大変です。
音の高さと違って、リズムは習得してしまえば、かなりの率で正解できるはずです。
この部分を朝飯前にしておけば、聴音もその分楽になるでしょう。

セットで覚えたい

音符と休符の組み合わせによって、リズムパターンは膨大にあります。
とてもとても全てを網羅することは出来ないので、ここでは基本的なパターンを確認したいと思います。
ここで習得したいことは、

(1)リズムを聞いたら、頭の中に音符の形がパッと思い浮かべられる
(2)音符の形を見たら、頭の中にリズムがパッと思い浮かべられる

の2つです。
音符の形の絵面と、その鳴り方とを、セットで覚えてほしいのです。

リズムパターンの練習

01:タンタタ

今さら説明するまでもない、基本的なリズムですね。
このリズムはこの絵面であることを再認識してください。

練習曲

譜面を見ながら音源を聴くだけでなく、音源だけを聴きながら頭の中に音符(リズム)を視覚的に想像してみてください。

聴音 リズム練習1

タンタタの半分の長さのリズム

上記「タンタタ」を半分の長さの音符にする(=倍の速さになる)と、上記のリズムになりますね。
こちらも音符の絵面とリズムパターンとをセットで焼き付けるつもりで練習してみてください。


02:タタンタ

4分の○拍子においては、シンコペーションのですね。
(→初級レッスン13:シンコペーションと記譜
こちらも音符の形の絵面と、聞こえるリズムとをセットで記憶するつもりで練習してみてください。


タタンタ半分の長さのリズム

こちらも半分の長さ(=倍の速さ)のリズムも練習しましょう。


03:ターンターンタン

八分音符に換算して数えると(3つ+3つ+2つ)という配分で、4/4拍子では2拍目も3拍目もオモテが演奏されません。
ラテン系のリズムでよく耳にするリズムですが、他のジャンルのメロディーでもバックのパターンとしても使われます。
独特のリズムなので、パターンとして覚えてしまいましょう♪


ターンターンタンの半分の長さのリズム

こちらも半分の長さ(=倍の速さ)のリズムも練習しましょう。


1段階深く音楽に接しよう

今回取り上げたリズムのパターンは、たった6種類です。
実際には、音符と休符の組み合わせ次第で膨大なパターンが存在するし、8分の○拍子ではまた異なるリズムパターンになりますね。
これらは「たくさん覚えなきゃ!」という物ではありません。暗記物ではありません。
ではどうすれば習得できるのかというと、音楽が聴こえた時、逆に楽譜を目にした時に、ただ漠然と聴く・見るのではなく、「音符ではどう表すのかな」「演奏するとどういうリズムになるのかな」などのように、興味と考察を1段階深くする感じで、日常のあらゆる音素材と向き合ってみてください。
当サイトでも、聴音のためのリズム練習・パターン練習の項を設ける予定です。