9才の時にエレクトーンを習い始めました。
好き勝手に弾くことは大好きだったけれど、決して優秀な生徒ではありませんでした。
中学3年の受験を機に辞めるつもりだったのだけど、講師の押しに勝てず、ずるずると継続。
当時、医学方面への漠然とした夢を抱いていて、高校はそのつもりで選びました。

が、高校2年になった頃、突如音楽熱を発症しました。
「私には音楽しかない!音楽こそ生きる道!」
と何かに憑かれたかのように熱くなり、親の大反対を押し切って路線変更(アホです)。
何も分からないまま、誰にも相談しないまま高校2年の夏に参加した音楽短大の講習で、視唱と聴音の壁に突き当たりました。

今のようにネットも無かったことや学校以外では消極的な子どもだったため、やはり誰にも相談しないまま「どうにか出来るようにならねば」と、1年強、ひとり必死で足掻きました。
その後、無事にエレクトーン専門科に合格。
でも在学中もまだ聴音や耳コピ能力は足りませんでした。
音楽環境に恵まれ、幼少期からクラシック音楽を習ってきた友人たちとの基礎力の大きな違いを思い知りました。

卒業後はピアノ・エレクトーン講師業、レストランなどでの演奏、カラオケMIDI制作やサントラ制作などに関わってきました。
音楽に集中する毎日の中でいつしか音は音名で聴こえるようになっていました。

楽譜通りに演奏するだけならば、聴音力は無くても問題ありません。
でもアレンジや作曲、即興演奏やセッションをするには、聴音力は必要不可欠です。
英語を聞き取れなければ会話が出来ないように、音を聞き取れなければ音楽を生み出すことは出来ません。

生まれた時からアメリカにいれば英語を普通に話せる。
大人になってからアメリカに行っても英語での会話が出来ない。
でもそこで暮らしていれば、そのうち会話が出来るようになるでしょう?
それと同じだと思います。
要は経験と慣れです。
それで足りなければ工夫で補えます。

当サイトの「必死の聴音」のカテゴリでは、決して聴音が得意ではなかった私が必死で習得しようとした様々な方法や、ピアノ講師や音楽業を通して培った知識やアイディアのあれこれを紹介しています。