「耳コピが出来るようになりたいけど苦手!」もしくは「これから耳コピを始めたい!」という方に役立つヒントを紹介する耳コピヒント集。
今回は実際の内容に入る前に、コード表記やコードの基本についてのお話です。

コード(和音)の積み重ねかた

コード 3度ずつ重ねる

上のように、コードはルート(=根音)から3度ずつ音を上に重ねていって作ります。
よって、すべての構成音は奇数の度数です(例外として6th、4thもあります)。
1st、3rd、5thの3つで作られたものが3和音、1st、3rd、5th、7thの4つで作られたものが4和音で、9th、11th、13thはテンションです。

コードネームの基本の基本

コードネームの書き方

コードネームの書き方の基本には、上のような決まりがあります。
それぞれについて見てみましょう。

1st 根音(ルート)

コード ルート 根音

ルート(根音)は、そのコード(和音)の基礎となる音です。
C,D,E,F,G,A,Bの大文字アルファベット、またはその右肩に♯か♭が付きます。
上の例では、「C」「D」「E♭」の部分がルートです。

3rd

コードネーム 3rd

3rdは、根音からの音程が長3度の場合は何も書かず、短3度の時のみ「m」を書きます。
上の例は、左の3rdは長3度、右の3rdは短3度になります。

5th

コードネーム 5

5thは、根音からの音程が完全5度の場合は何も書きません。
増5度、減5度の場合にのみ書きます。
書き方はいくつかあり、
増5度:♯5、+5、aug
減5度:♭5、-5
などで表し、これらはカッコ()を付けて表記される場合もあります。
aug(オーギュメント)は例外的に右上でなく右下に書きます。Caugのように。

7th

コードネーム 7th

7thは、根音からの音程が短7度の場合は「7」を、
根音からの音程が長7度の場合のみ、「M7」を書きます。

9th、11th、13th

コード テンション

テンションは右上に書きます。

配置が変わっても同じ

例えば「C」というコードは、「ド」「ミ」「ソ」の3種類の音から出来ているのですが、これらの音の配置の高低が変わっても、同じ「C」のコードです。

どれもコードC

上の例は、「ドミソ」の配置が変わったり、重なる音があったりしますが、どれも「C」です。
また、右の2つのように最低音がルート(根音)でない場合は「onE」「onG」などが付きます。
つまりは最低音は必ずしもルートではない、ということでもあります。

当サイトでの表記法について

上で説明したように、♯や♭、-5や+5、テンションなどは本来は右肩部分にやや小さく書くのですが、キーボード入力などの便宜上、当サイトでは基本的に横並びに書きます。
F♯7(-13)などのように表します。
また、テンションが複数ある場合は、通常は縦に並べて表記しますが、こちらも便宜上横並びに書きます。
C7(-9,-13)などのように表します。

さらに、スペースその他の都合で♭を「b」、♯を「#」などで代用することもあります。

ローマ数字の表記について

あらゆる調に対応できるよう、当サイトではローマ数字を使っての表記もたくさん使っています。
ローマ数字の部分
Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ,Ⅴ,Ⅵ,Ⅶ
は、その調においての度数です。
もしハ長調ならばⅠ=C(=ド)、Ⅴ=G(=ソ)という具合です。
例えばト長調での「Ⅱm7」ならば、Am7になります。

もしルート(根音)が音階構成音でない場合は、「♭Ⅶ7」のように表記します。
例えばハ長調での「♭Ⅶ7」は、B♭7になります。

コードネーム表記のバリエーション(略記)

例えば「ドミソシ」から成るCM7(シーメジャーセブン)は、他にも「Cmaj7」や「C△7」などのように表記されることもあります。
手書きの際などはどんどん書いていくため効率的に略記した独特の書き方があります。
それらに触れておこうと思います。

「M7」→「△7」「maj7」

「M」は7thが長7度の時に書くものでしたね。
手書きでは「C△7」と書くことも多く、印刷物などでは「Cmaj7」と書かれていることもあります。

「m」→「-」

「m」は3rdが短3度の時に書くものでしたね。
手書きではこの「m」を略記して「-」と横一本線で書くことがあります。
「Cm7」→「C-7」といった具合です。

増5度

上でも「♯」「+」「aug」などの種類を書きましたが、「+5」の5を略して「+」だけを記すこともあります。
「C+」といった具合です。

ディミニッシュ

このページでは取り上げていませんが、ルートから短3度ずつ音を4つ重ねたものをディミニッシュコードといいます。
通常は「dim」と書きますが、これも省略して「○」と書くことがあります。
「Cdim」=「C○」です。

m7(-5)

ハーフディミニッシュ

マイナーセブンフラットファイブ。
よく使われるコードですが、別名「ハーフディミニッシュ」と呼ぶ場合もあり、ディミニッシュの「○」を半分に切るような記号で表示する場合があります。
「Cm7(-5)」=「CΦ」です。

そのほかのコードネーム

上記「基本の基本」で説明した他にも、
dim(ディミニッシュ)…ルートから短3度ずつ重ねて4和音にしたもの…例:Cdim
sus4(サスフォー)…3rdを半音あげて4thにしたもの…例:Csus4、C7sus4
add(アド)…add=加える。add9=9thを加える…例:Cadd9
omit(オミット)…omit=省く。amit3=3rdを省く…例:Comit3
などがあります。

コードネーム一覧

コードネームを音符と共に一覧にしてみました。
コードネームの読み書きに戸惑いのある人は、ひとつひとつ音と照らし合わせて確認してみてください。
テンションは省いています。
以降のページで各コードについて音源を併用しつつ説明しているので、詳しくはそちらもご覧ください。

コードネーム 一覧

*Cdimに関しては、ルートから短3度ずつの積み重ねなので、理論上で正確に表すならば「ド・♭ミ・♭ソ・♭♭シ」 なのですが、実際の譜面では見やすさの観点から上記のように、もしくは「ド・♭ミ・♯ファ・ラ」で表す方が一般的です。