「耳コピが出来るようになりたいけど苦手!」もしくは「これから耳コピを始めたい!」という方に役立つヒントを紹介する耳コピヒント集。
今回はsus4(サスフォー)の響きの特徴を見てみましょう!

sus4とは?

sus4は「サスフォー」と読みます。
「sus」は「Suspended」の略。
「吊り上げる」などの意味を持ちます(Suspender:サスペンダーってありましたね)。
この名の通り、長3和音の3rdが半音釣り上げられて4thになったものがsus4です。
つまり構成は、1st、4th、5thになります。

sus4

sus4の響きの特徴

sus4の特徴の前に…
長三和音と短三和音(例:CとCm)の違いって何でしたっけ?
そう、3rdの音がルート(根音)から長3度なのが、明るい響きを持つ長3和音。
3rdの音がルート(根音)から短3度なのが、暗い響きを持つ短3和音でした。
つまりはこの3rdが、いわば明暗を分ける重大な役割を持っているのです。

そして今回のsus4は、3rdを釣り上げて4thにした和音。
つまり明暗を定める3rdは不在です。
よって、sus4のコードは明るくも暗くもないニュートラルな響きを持っており、これが大きな特徴です。


sus4の特徴

上の例で挙げたように、sus4のニュートラルな特性を活かした使い方もありますが、もう一つ別の大きな特徴があります。
それは、4thが3rdに進行するというもの。
特にウタモノや大衆的サウンドでは、sus4は長3和音に移行するのが王道です。


様々なジャンルの曲で、サビの前やサビの終わりなどセクションの境目に使われることも多いです。


また、歌モノなどの歌い出し部分に使われることもよくありますね。


□7sus4

上記sus4は3和音でしたが、7thも加えた4和音のサスフォーもあります。
まずは、ルート(根音)から短7度の音を加えたコードを見てみましょう。
3和音のsus4と同様にニュートラルな響きの特性を活かして使われたり、4th→3rdに移行したりします。

□7sus4:ニュートラルな響き


長調でも短調でもない、明るくも暗くもないニュートラルな響きを持っています。

□7sus4:4th→3rd→さらに移行

三和音のsus4は、4thが3rdに進行して一件落着、といった感があります。
しかし「□7sus4」の4thが3rdに進行すると「□7」つまりドミナントセブン(属七の和音)となり、さらに完全五度下(=完全四度上)に行きたい性質を持ちます。
ここが3和音のsus4と大きく異なる点ですね。


ぷりんと楽譜

□M7sus4

CM7sus4

sus4に、ルートから長7度がプラスされた和音です。
例えばCをルートにすると、「ド・ファ・ソ・シ」という構成音で、ハ長調の主音「ド」と属七「ソシ(レ)ファ」が合わさったのと同じ構成になる、不思議な和音です。
通常、G7(ソ・シ・レ・ファ)ではC音(ドの音)は、avoid noteといって回避すべき音なのですが、それらが同居しているかのような響きです。
下記例は「アヴェマリア」でおなじみの、バッハのプレリュードの最後の部分をイメージして弾いたものです。
実際のプレリュードはG7/Cですが。


練習問題

ではsus4についての練習問題にチャレンジしましょう♪

その1

次の4小節の曲の中に、sus4の和音が出てきます。
何小節目(何拍目)でしょうか?

正解:"2小節目の1、2拍目"と"4小節目の1、2拍目"。
2ヶ所にsus4がありました。

その2

次の音源[A][B]のうち、片方が[ナントカ7sus4]の和音です。
どちらでしょうか。

[A]
[B]

正解:[A]

おわりに

以上、sus4についてでした。
メジャーでもマイナーでもない、この独特の響きを覚えておいてくださいね。
慣れ親しむために、このコードを使って簡単な作曲をしてみるのも良いと思います♪

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