「耳コピが出来るようになりたいけど苦手!」もしくは「これから耳コピを始めたい!」という方に役立つヒントを紹介する耳コピヒント集。
今回はテンションの9thを見てみたいと思います♪
9thとは?
9thは、ルート(根音)から長9度の音程です。
長9度が分かりづらい場合は、長2度+1オクターブと考えると分かりやすいかと思います。
ちなみにテンションの9度には、他に♭9th(フラットナインス)と♯9th(シャープナインス)がありますが、それらについては以後のページで紹介します。
9thを使えるコードの種類
テンションは何でもどこでも使えるわけではなく、基本的には決まりがあります。
が、今回取り上げる9thについては、あらゆるコードで使うことが出来ます。
①Major7thコード+9th
□M7(9)以外にも、□M9とも書きます。
とても良く使われるテンションです。
ⅠM9とⅣM9(長調)
ⅠM7(9)とⅣM7(9)は、構成音がすべてcその調(長調)の音階音なので、自然な響きを持ち、よく使われます。
感覚の違いは人それぞれですが、明るくきれいな響きを感じます。
♭ⅥM9(短調)
イ短調でいうならばFM7(9)です。
Ⅰm7(Am7)と構成音が多く共通しており、こちらも自然によく使われます。
同じM9でも、短調の♭ⅥM9は暗い印象を与えますね。
♭ⅥM9(長調:音階構成和音以外)
もう一つ例を挙げてみます。
今度は音階構成和音でないM7(9)です。
赤い円で囲んだ音符が9thです。
それぞれのコードの特質を損なわずに自然に馴染んでいるかと思います。
②Dominant7thコード+9th
□7(9)以外にも、□9と書く場合もあります。
Ⅴ7の場合は、長調ならば9thは音階構成音、短調ならば音階構成音から半音上がることになります。
Ⅴ7(9)はけっこう明るい響きなので、短調ではあまり使われません。
Ⅴ7(9)(長調)
ハ長調でいうならG7(9)です。
前述の通りこの9thは音階構成音なので、自然な響きとなります。
ジャンルにもよりますが、Ⅱm7ーⅤ7での共通音となるので、それを活かした使い方もされます。
上記のMajor7th(9)も使って9thの多い進行にしてみました。
③Minor7thコード+9th
これもとても良く使われるコードです。
□m7(9)の他に、□m9とも書きます。
音階構成音の9th
長調のⅡm9、Ⅵm9、短調のⅠm9(*ここでは自然短音階のⅠ)は、どれも音階構成音なので、性格を大きく変えることなく自然に感じられます。(赤い円が9th)
音階構成音でない9th
たとえばハ長調のⅢm7であるEm7の9thは、「♯ファ」であり、音階構成音ではありません。
なので敢えてその特別な響きの効果を狙って使うことが、よくあります。
下の例は、上の曲の4小節目をEm7からEm9に変えたものです。
9thのF♯音が、ピリリと引き締めるようなスパイスになっています。
④6thコード+9th
これまでは7thのコード+9thでしたが、6thコードにも9thは相性良く付けられます。
C6(9)と書いたり、C69などのように書いたりもします。
Major6th+9th
並べ方を変えると、ルート以外は全部完全4度の間隔で並んでいるという面白いコードでもあります。
Major7th+9thは、研ぎ澄まされたようなキラッとした感じがありますが、6+9はもうちょっと力の抜けた明るい感じとでも言いましょうか。
ラテン系や、曲の最後のジャーン的な和音にも使われたりもします。
Minor6th+9th
□m6にもよく9thが使われます。
曲中にも使われますが、やはり最後のジャーンで使われることもよくあります。
⑤3和音+9th
ここまで4和音+9thのコードを見てきましたが、3和音+9thもよく使われます。
特にその調のⅠでは、6thも7thもそれぞれ個性が強く、使うのと使わないのとで雰囲気がだいぶ異なりますが、9thはもう少し柔らかくフィットしてくれる感じです。
そしてここでちょっと注意です。
コード表記で「CM9」「C9」「Cm9」など、ただ「9」を書いた時は、4和音+9thです。
3和音+9thの時は「add9」(add=足す)のように表記します。
長三和音+9th
ではここで、CM9とC69とCadd9を聴き比べてみましょう!
CM9
C69
Cadd9
違いを聞き分けられましたか?
M7(9)はツンとした緊張感を含む感じ、69は気楽な明るい感じ、add9は素直でちょっとだけおしゃれした感じ。
感じ方と表現の仕方は人それぞれですが、それぞれの個性を自分自身の感覚で聞き分けてください。
短三和音+9th
⑥Diminished+9th
ずいぶんと長くなってしまいましたが、これで最後です。
ジャズが多いですが、ディミニッシュコードでも9thを使います。
曲中に1つのコードとして使われることもありますが、下記のように
Ⅰdim9 - ⅠM7
のように、Ⅰに行く前にはさんだりすることも多いです。
もちろんメロディーとの相性にもよります。
練習問題
では最後に練習問題にチャレンジしましょう!
以下の各問題の音源では、3種類のコードを続けて演奏していますが、9thが使われているのは何番目でしょうか?
「うわー和音(和声)聴音は苦手なんだよなー」と思わずに、全体の響きの印象で探ってみてください。
その1
正解:2番目
その2
正解:3番目
その3
正解:2番目
おわりに
以上、コードのテンション、9thでした。
9thには、今回学んだ♮9thの他にも、♭9thと♯9thがあります。
以降のページでみていきたいと思います!