「耳コピが出来るようになりたいけど苦手!」もしくは「これから耳コピを始めたい!」という方に役立つヒントを紹介する耳コピヒント集。
今回はテンションの11thと♯11thを見てみたいと思います♪

11thとは?

11th

11th(イレブンス)は、ルート(根音)から完全11度の音程です。
完全11度が分かりづらい場合は、完全4度+1オクターブと考えると分かりやすいかと思います。

11thを使えるコードの種類

11thを使えるのは、通常はマイナーセブンコードのみです。

11thを聞いてみよう


単独で聞いた場合、もともとクールな印象のm7コードですが、11thが加わることでニュートラルな感じがするかと思います。
Ⅰm7(11)はクール・ニュートラル・オシャレな印象ですが、Ⅱ、Ⅲ、Ⅵその他で使う時には違う印象になります。
それは後ほど…

♯11thとは?

今度は#11thを見てみましょう。
♯11thは、ルートから増11度の音です。
言い換えると、1オクターブ+増4度です。

♯11thを使えるコードの種類

11thを使えるのは、通常はメジャーセブンコードとドミナントセブンコードのみです。

♯11thを聞いてみよう

□M7(♯11)

まずはメジャーセブン+♯11thから聞いてみましょう。


M7(+11)は、ルートと7thが長7度関係で、さらに5thと♯11thも長7度関係です。
長7度=転回すると短2度=半音であり、そのダブルのぶつかり感が、研ぎ澄まされた緊張感のような印象を与えます。
(クラシック系の人には不協感がすごくて嫌かも)
また、ルートと♯11thは増4度の関係なので、さらに個性の強い響きとなっています。

□7(♯11)

次にドミナントセブン+♯11thです。


シンプルなドミナントセブンコードは、明るくコミカルな気配すら漂いますが、♯11thが加わるとまるで別人のように暗く落ち着かない感じの響きになります。
個性が強い故に、効果的に使うととてもカッコいいサウンドになります。

曲中の11thと♯11th

まずは11thから…。

11th(1)Ⅰm7(11)の例


発音が短いのでわかりにくいかも知れません。
後半2小節は発音回数を増やしました。
11thが加わることで中性的になると言うか、マイナー感がまろやかになると言うか。
自分なりの感覚を見つけてください。
比較対象に、11thを抜いた同じ音源を載せます。
こちらはCm7ーFm7ですが、こちらの方が「マイナーコードです!」感が強いと思います。

11th(2)長調でのm7(11)の例

下の例は、長調のⅡm7とⅥm7で11thのテンションを使ったものです。
やはり11thが加わることで、m7だけよりも中立的・中性的な感じになるかと思います。


♯11th(1)長調のM7(♯11)の例


長調ⅠM7の♯11thは音階にない音ですね。
シンプルな曲でも比較的使われやすい♯11thは、ⅣM7(♯11)でしょう。
こちらは♯11thも音階音です。
上で書いたように、長7度を二つ含んでいるこのコードは独特の響きを持っています。

♯11th(2)長調の♭Ⅲ7(♯11)の例


ジャンルにもよりますが、ドミナントセブンコードの♯11thはけっこう使えます。
例として、♭Ⅲ7(♯11)(ハ長調ではE♭7(♯11))を挙げてみました。

練習問題

ではテンション11thに関する練習問題にチャレンジしましょう♪

その1

以下の音源は、続けて2種類のコードを演奏しています。
「11th」を含むコードはどちらでしょうか?

正解:1番目

その2

同じく、「♯11th」を含む和音はどちらでしょうか?

正解:2番目

おわりに

以上、コードのテンション、11thと♯11thでした。
11thのニュートラルな感じ、M7(♯11)の長7度音程を二つ含む響きを体感で覚えられればと思います。
また、7(♯11)は使い方によって様々な顔を見せてくれます。
具体例を今後もう少し追記したいと思っています。