「耳コピが出来るようになりたいけど苦手!」もしくは「これから耳コピを始めたい!」という方に役立つヒントを紹介する耳コピヒント集。
今回はテンションの13thと♭13thを見てみたいと思います♪

13thとは?

13th 長13度

13th(サーティーンス)は、ルート(根音)から長13度の音程です。
長13度が分かりづらい場合は、長6度+1オクターブと考えると分かりやすいかと思います。

13thを使えるコードの種類

13thを使うのは、基本的にはドミナントセブンコードだけです。
上で「長6度+1オクターブ」と書きましたが、すでに長6度=6thで出てきましたね。
なので通常、メジャーコードとマイナーコードでのこの音は「6th」とされ、13thとは言いません。
とは言え実際の音楽では、ジャンルにもよりますが7thも6thも同時に使う場合もあり、CM7(13)などのように表記することもあります。

13thを聞いてみよう


長三和音+6thは明るい響きでしたが、同じく13thも明るい響きを持っています。
最後の和音のように、9thとの相性も良いです。

♭13thとは?

♭13th 短13度

今度は♭13thを見てみましょう。
♭13thは、ルートから短13度の音です。
言い換えると、1オクターブ+短6度です。

♭13thを使えるコードの種類

♭13thを使えるのは、ドミナントセブンコードのみです。

♭13thを聞いてみよう

♭13th

Ⅴ7の場合は、♭13thは長調ならば音階にない音、短調ならば音階構成音です。(自然短音階・和声短音階)
そのため短調では自然な響きであり、長調では曲によって影が差すような、柔らかく優しくなるような、何かしら変化を感じさせる響きです。
また最後の例のように、♭9thとの相性もとても良いです。

曲中の13thと♭13th

まずは13thから…。

13th(1)長調の例

13th 例

テンションが多く使われている曲では、Ⅱm7ーⅤ7の時にⅡm7の9th(ハ長調では「ミ」)とⅤ7の13th(ハ長調では「ミ」)をこのように繋げて演奏されることが多いです。
また、Ⅵ7の13thは音階構成音ではなく、「ファ」が半音上がったものですが、これにより曲の進行に小さな刺激を付けることが出来ます。

13th(2)短調の例


13th自体が明るい響きを持っているので、短調で短調らしい雰囲気のまま13thが使われることは多くはありません。
上の例では、G7やF7の部分は一時的に長調の雰囲気になっていますね。
そして短調に戻る経過のB7-E7では、「♮13th→♭13th」という進行にして、短調らしさを醸しだしています。

♭13th(1)長調の例


13度=1オクターブ+長6度と上にも書きましたが、この6度が短6度になると翳りを感じさせることが多いです。
が、暗いから短調というわけではなく、長調でも非常に良く使われるテンションです。一番多いのはジャズですが。

♭13th(2)短調の例


まずⅤ7の♭13thは、音階構成音なので自然に馴染みます。
Ⅱm7(-5)-Ⅴ7だけでなく、Ⅱm7ーⅤ7の時も♭13thは違和感のない響きをします(7小節目)。
この例ではⅡ7(-13)も使っていますが、その次にくるコードがマイナー系なこともあり、これも自然にハマっています。

練習問題

ではテンション13thと♭13thに関する練習問題にチャレンジしましょう♪

以下の音源は、Ⅱm7ーⅤ7ーⅠを2種類続けて演奏しています。
この時のⅤ7のテンションは、片方が13th、もう片方が♭13thです。
どちらがどちらなのか、答えてください。

正解:1つ目が「13th」、2つ目が「♭13th」

おわりに

以上、コードのテンション、13thと♭13thでした。
6thと同じ音程であるために明るい響きを感じさせる13th、やわらかく翳りを感じさせる様な♭13th。
もちろん調の何度の和音で使われるかによってその印象は異なりますが、ご自身でも敢えて13thを組み込んで両者の違いを確認してみてくださいね。