今回のレッスンは変ロ長調です♪

(1)変ロ長調とは

「変ロ」は「シ」が半音下がった音。
英語ではB♭、ドイツ語では「B(ベー)」の音です。

音名 フラット

そして、変ロ長調とは変ロ調長音階を用いて書かれた楽曲の調のことです。
というわけで、変ロ調長音階を見てみましょう。

変ロ調長音階

変ロ調長音階は、変ロ音を第一音とする長音階のこと。
第1音が黒鍵な調は初登場ですね♪
そして変ロ音を第一音として長音階を作るには、ミの音も半音下げる必要があります。
つまり変ロ長調はフラット2つを調号に持つ長調です。

変ロ長調 音階

1オクターブ下げて、ヘ音記号でも書きましょう。

変ロ長調 ヘ音記号

変ロ長調の主要な和音

和音もチェックしておきましょう。
まず、変ロ長調の音階の上に3度ずつ音を重ねて和音にしてみます。

変ロ長調 和音

主要な3つの和音(Ⅰ、Ⅳ、Ⅴ7)を使ってパターンを作ってみましょう。

その1

変ロ長調 カデンツ

その2

「その1」と異なるのは、3小節目前半のみです。
その1ではⅠの転回系(低音が第5度の音)、その2ではⅤです。
この違いも感じてみてください。


(2)変ロ長調の練習

変ロ長調の音階と主要な和音をチェックしたところで、いよいよ慣れるための練習をしましょう♪
音符を見、音を聴き、そして必ずドレミで歌う(もしくは歌っているつもりで譜読みして呟くなど)してくださいね。

1曲目

音階をメインにしたメロディーです。

変ロ長調 練習

2曲目

音の階段を1段抜かしで進んでいるようなイメージも持ちつつ練習してみてください。


3曲目

主要3和音の構成音だけで作ったメロディー。
Ⅰ、Ⅳ、Ⅴ(とⅤ7)を色分けしてみました。


4曲目

へ音譜表も練習しましょう♪
低音を味わってください。

変ロ長調 へ音 聴音

(3)変ロ長調の有名曲

きっと耳にしたことのある、変ロ長調の有名曲…
ヨハン・シュトラウス2世の「春の声」はどうでしょうか?
きっと聞いたことがあると思います。
メロディーの速い動きや、半音アプローチで臨時記号が多く複雑なので、楽譜付きの動画を貼ります。

(4)練習問題

ではいよいよ変ロ長調の聴音にチャレンジしましょう♪

1問目

変ロ長調
4/4拍子
4小節・ト音譜表

変ロ長調 聴音

音階を使用したメロディーですが、スタートの音が主音(第1音)でなく第5音なので少し難しかったかもしれません。
2小節目の[ソード]の跳躍も少し難しかったでしょうか?
この部分はまだレッスンで説明していませんが、Ⅱの和音(ド・♭ミ・ソ=Cm)で、少し寂しいようなマイナーの響きです。

2問目

変ロ長調
4/4拍子
4小節・ト音譜表

3問目

変ロ長調
3/4拍子
4小節・ト音譜表

少し難易度を上げました。
3小節目は速い動きなので難しいですね。
「音階のようで音階でない(1音抜けている)」ということに気付けると、答えを導くヒントになるでしょう。

4問目

変ロ長調
6/8拍子
4小節・ト音譜表

「ラ・♭シ・ド・レ」だけのメロディーでした。
低めの音で、狭い範囲内だけでの動きでしたが、簡単だったでしょうか?難しかったでしょうか?
対処法の一つとして、大きな拍の頭(6拍子なので1拍目と4拍目)の音をまず聞き取り、それをヒントに残りを探っていくという方法もあります。

(5)おわりに

以上、変ロ長調についての学習でした。
他の調のレッスンでも書いていますが、慣れるためには童謡などのシンプルなメロディーを変ロ長調で演奏してみる、という練習がおすすめです。
「蝶々」や「メリーさんの羊」、それが出来たら「大きな栗の木の下で」などを弾いてみましょう♪

当サイトでは今後も変ロ長調の練習になる課題を掲載して行きます。