レッスン3の続きで、十六分音符に慣れるためのレッスンです。

十六分音符のパターン(2)

今回はまず、付点八分音符+十六分音符のパターンを見てみましょう。
音符の右隣の赤い四角は、音符の長さを視覚的に表したものです。
その右隣の言葉は、音符の長さを文字に置き換えてみたものです。
変な言葉しか思い浮かばず恥ずかしい…

なあんか(何か)
いやあー(嫌ー)

では組み合わせて聞いてみましょう。


十六分音符・休符のカウント法

さてさて、これまで 入門レッスン1で拍の刻み方を、 入門レッスン8で表拍と裏拍の刻みを紹介してきました。

十六分音符のパターンをある程度学んできたところで、新たに便利なカウント法を紹介します。
聴音でももちろん、仕事で耳コピをする時にも役立つ方法なので、知っておいて損はないと多います♪

今回紹介するのは、16分の刻みです。
これは曲の初めから終わりまでこう刻むわけではなく、 十六分刻みの複雑なリズムが続く箇所など、必要に応じて局所的に使います。
図に書くとこんな感じ。

16分 刻み カウント

この絵で伝わるでしょうか(汗)
例えば4/4拍子では、1拍の長さに16分音符が4つ入りますが、その4つをそれぞれ指で刻むのです。
一応動画も撮ってみましたが、映像と音がずれています、すみません。 また、動画ではわかりやすいように指をはっきり動かしていますが、実際にはこんなに大きな動作をする必要はありません。
こんなことで指を痛めぬよう、無理のない動かし方で行ってください。

例えば聴覚だけで聴音や耳コピをした場合、聞こえた音のリズムパターンを耳と頭だけで理解することになると思いますが、指の刻みをしつつ聞くと、
「それぞれの音が、どの指を下ろした時に鳴ったか」
ということも自然に認識され記憶され、なんというか一度に把握できる容量が増えるような感じです。
もちろん正確さも増すことでしょう。

また、それらの音の長さ、つまりは音が消えるタイミングも、指を下ろしたタイミングで把握できるので、より正確に聞き取ることが出来ます。

指で刻んで16分を聞いてみよう

十六分音符や休符を使っての、さまざまなパターンを用意しました。
上記の指刻み(無理はせずに!)で、発音と消音のタイミングを確認してみてください。
最初に1小節のカウントが入っています。

その1

ここまでに登場した、16分音符のリズムパターンです。
音と指の下げ/上げとのタイミングを確認してください。

16分音符 練習

その2

八分音符も加えました。
それぞれの音符の長さの違い、リズムの違いを確認してください。


十六分音符の練習(2)

ではこれまで学んだ十六分音符のリズムパターンを取り入れた曲で、慣れる練習をしましょう♪
今までと同様に、聴くだけではなく、楽譜を見ながら歌う(または譜読み、呟く、頭の中で歌う)などしてくださいね。
視唱力と聴音力は表裏一体です。

その1

・ハ長調
今回のレッスンで学んだリズムだけで作った曲です。
十六分音符と付点八分音符は、長さの比が1:3の関係です。
そのことも確認しながら聴いてください。

付点八分 練習

その2

・ト長調
これまでに学んだパターンを使った曲です。
小節ごとに同じパターンのリズムにしています。
一番最後の音の長さが、四分音符でも八分音符でもなく、付点八分音符であることも確認してください。


その3

・ホ短調
八分音符と十六分音符とを、1拍ずつ交互にしています。
上で16分の刻みを練習しましたが、ここでは8分の刻みで聴いて(心の中で歌って)みてください。
そして刻むタイミングと合う音、刻みと刻みの間で鳴る音(=十六分のウラ)それぞれを実感してください。


その4

・ヘ長調
1、2拍目の音を、3拍目で倍速にしています。
四分音符の半分は八分音符、八分音符の半分は十六分音符、付点四分音符の半分は付点八分音符であることを、耳でも確認してください。


練習問題

それではいよいよ聴音の練習問題に取り掛かりましょう! 1問ごとに少しずつ難易度を上げています。

1問目

イ短調(a moll)
4/4拍子
4小節・ト音譜表

メロディーライン(音高)は、音階をメインに動いているので、それほど難しくありません。
一方、リズムがパターン化しておらず自由に動いているので、少し難しかったかも知れません。
難しかった人は、リズムだけの練習をゆっくりのテンポで初めて、速いテンポでも出来るようにしてみると、良い練習になるでしょう。

2問目

二短調(d moll)
3/4拍子
4小節・ト音譜表

十六分音符の音は鳴る時間が短いので、難しく感じるかも知れません。
まだテンポをゆっくりにしているので、その短い音に集中して、しっかり聴きとるつもりで臨んでください。
かなり慣れてくれば、例えば1小節目なら「レファラの響き」などのように、短いフレーズひとまとまりで捉えられるようになるでしょう。

3問目

ト長調(G dur)
4/4拍子
4小節・ヘ音譜表

2小節目の1拍目と3拍目のリズムは正しく書けましたか?
3小節目の「ド♯」は迷わずに分かりましたか?

4問目

ホ短調(e moll)
4/4拍子
4小節・ト音譜表
*アウフタクト

色々な要素と速めのテンポで、少し難しい課題でした。
2小節目の「シ」の音は、タイで繋いで3拍目の頭を明確にする必要があります。
アウフタクトは久しぶりでしたが、最後の小節の長さは3拍半にすることを忘れずに書けたでしょうか?

おわりに

以上、16分音符に慣れる(2)のレッスンでした。
16分音符に関するレッスンは、あと2回行う予定です。
他のレッスンの課題にも16分音符をどんどん取り入れていくので、少しずつ慣れていってくださいね。