中級レッスンではこれまで♭3つの長調と短調を学びました。
今回は♯3つのイ長調を見てみましょう♪

イ長調

「イ」音は、ドレミファソラシで言うと「ラ」の音ですね。 そして「イ長調」は、イ調長音階で書かれた楽曲の調のことです。
ということで、早速イ調長音階を見てみましょう!

イ調長音階

イ調長音階は、A音を第一音とする長音階のことです。
そして、A音を第1音として長音階の配列を作ると、「ファ」「ド」「ソ」の各音を半音上げる必要があります。

イ長調 鍵盤 ピアノ

つまり、イ長調は3つの♯を調号に持ちます。

イ長調 音階

そして「イ長調」は日本語であり、英語では「A Major」、ドイツ語では「A(アー) dur」と言います。

イ長調の主要3和音

これまでと同様に、主要な3つの和音を見ていきたいと思います!
音階上に3度ずつ音を重ねて3和音にしていますが、「Ⅴ」は7度の音がとても大切なので、便宜上4和音にしています。

イ長調 音階上の和音

今度は重要な3つの和音(Ⅰ、Ⅳ、Ⅴ7)でパターンを作ってみます。


イ長調の練習

ではイ長調に慣れる練習です!
音源を聴きながら楽譜を見るだけでなく、一緒に歌うか、音名の譜読みもしてください。
(必要に応じてオクターブ下げ上げしてください)
譜読みの際は、その高さの音を歌っているつもりで行ってくださいね。
楽譜を見てその音を歌う能力と、聴音の能力とは表裏一体です。

その1

音階を使って作ったメロディーです。

イ長調 練習

その2

主要3和音の構成音のみを使ったメロディーです。
メロディーの背景に和音も感じつつ聴いてください。
Ⅰを赤、Ⅳを青、Ⅴを紫(Ⅴ7は二重線)で線を付けました。


その3

3度と2度で上がったり下がったりを交互にしています。
同じ動きでも、音によって明るかったり寂しかったり違いがあることを感じてください。


その4

4度音程をたくさん使ったメロディーです。
4度の音程は、3和音の積み重ね方を変えた時にも生じる音程なので、耳馴染みの良い音程です。
が、5小節目の「D-G♯」は4度は4度でも1段階間隔の広い「増4度」という、ちょっと独特な響きの関係です。
その辺も注目しつつ、音源なしでも4度音程を歌えるように練習してみてください。


イ長調の有名曲

イ長調の有名曲ももちろんたくさんあるのですが、「絶対に誰もが知っている」となるとちょっと思い浮かびませんでした。
そんな中で、「聴いたことがある人が多いかな…」と思うのがショパンの前奏曲(プレリュード)op.28-7です。
テレビCMで使われていたこともある曲です。
演奏でなく打ち込みかと思いますが、楽譜付きの動画があったので貼ります。

練習問題

さあ、いよいよイ長調の聴音問題にチャレンジしましょう!
1問ごとにレベルを少しずつ上げています。

1問目

イ長調(A dur)
4/4拍子
4小節・ト音譜表

イ長調 聴音 やさしい

音階を上がったり下がったりで出来ているメロディーでした。
難しかった人は、リズムが苦手な可能性もあるかも。
楽譜を見て、リズムを手などで打つ練習を試してみてください。

2問目

イ長調(A dur)
4/4拍子
4小節・ヘ音譜表

3問目

イ長調(A dur)
3/4拍子
4小節・ト音譜表

それほど難しいメロディーではありませんが、テンポを速くしています。
3小節目「レーシー♯ファ」は、レッスンでまだ扱っていませんが、音階上のⅡの和音(シ・レ・♯ファ)の構成音です。
これが「レーラー♯ファ」ならばⅠの和音の構成音で明るい響きになるのですが、Ⅱは短3和音(マイナー/後述)なので少し寂しいような響きになります。

4問目

イ長調(A dur)
6/8拍子
4小節・ト音譜表

3小節目の「♮ファ」は正解できましたか?
ファの音はイ長調音階の第6音ですが、この第6音が半音下がる用法はけっこうあります。
また、この課題の場合は「♯ファ」から「ミ」に向かって半音ずつ下がっているという捉え方もできます。
2小節目と4小節目の1と3拍目を繋いで連桁にしても正解です。

5問目

イ長調(A dur)
4/4拍子
4小節・ト音譜表

速めのテンポで、いろいろなリズムパターンを使った曲でした。
2小節目の3拍目「♯シ」は、難易度高めです。
イ長調の主和音の構成音である「♯ド」に向かって、半音下からアプローチしています。
このような動きにも理論があるので、聴音が苦手でも理論面から正解を導くことができます。
これらについては、「耳コピ ヒント集」の項目で書く予定です。
現時点では、正解できなくても、「この音は何か違うぞ?!」ということが感じられれば、まずは良いでしょう。
一番最後の音符の長さは、正しく聞き取れましたか?

おわりに

以上、シャープ3つを調号に持つイ長調のレッスンでした。
毎回のように書いていますが、その調に慣れるにはその調で簡単な曲を演奏してみるのがおすすめです。
チューリップなど、ごくシンプルな物から、大きな古時計などのように、もう少し複雑な物など。
本サイトの今後のレッスンでも、イ長調の課題も取り入れていきます♪