さてさて、入門から始まって初級、中級と進み、これまで色々な種類の音符を学んできました。
今回はそれら音符がちょっと似て感じられるリズムの確認と判別について書きたいと思います♪

ちょっと似ている(1)

三連符と、付点八分+十六分音符の比較です。
まずは聞いてみましょう。

例1


この2つの違い、明確に分かりましたか?
今は比較として2つを並べているので、聞き分けは簡単かも知れませんが、聴音の問題の一部に出てきた場合はどうでしょうか?
ちょっと整理してみましょう。

三連符は、四分音符を三分割したもの。
十六分は、四分音符を四分割したものですね。

その違いを利用して、
四分音符を二分割=八分音符=半拍
の刻みでカウントしてみます。
[付点八分+十六分音符]のリズムならば四分割ベースなので半拍刻みでピッタリ割り切れる感じ。
[三連符]のリズムならばピッタリ割り切れずに間に食い込むような感じになります。
先程の例に、半拍刻みを一緒に鳴らしてみると、以下のような感じになります。


例2

例1と同じ音符の組み合わせですが、前後を入れ替えて前半が短いタイプのリズムです。


半拍で刻んだカウント付きの音源です。

ちょっと似ている(2)

(1)と同様に三分割と四分割のリズムです。
早速例を見てみましょう!


aとbの違い、迷わず分かりますか?
音符の長さを図にしてみます。
縦の青い点線は拍の区切りを、グレーの細線は半拍の位置を示しています。

(1)と同様、3連符はどこにも合わずに食い込む感じ。
付点八分で始まる方は、半拍区切りとの相性が良い感じいです。
こちらも半拍カウント付きでもう一度聴いてみましょう。


練習

それでは上記で確認したリズムを、実際の曲に取り入れてみましょう。

その1

1拍の二分割または四分割と、三分割が交互に出てきます。
偶数分割と奇数分割が切り替わる独特の感じをつかんでください。


その2

二分割・四分割がベースの曲で、所々に三分割ベースのリズムが出てきます。
その切り替わりの際の独特の感覚を実感してください。
また、上で挙げたように半拍刻みをしながら聴いてみてください。


その3

今度は三分割が主体の曲です。
こんな時は逆に半拍刻みでなく、三分割刻み(1拍を[123]と数える)で聴いてみましょう。
四分割ベースのリズムが出てくると、それまでのゆったりしたノリが変わる感覚があると思います。


練習問題

それではこれらのリズムを用いた聴音の練習問題にチャレンジしましょう!
やさしい問題から、徐々に難しくしています。
時に半拍、時に1/3拍のカウントをしながら、聞き取ってみてください♪

1問目

二短調(d moll)
4/4拍子
4小節・ト音譜表

三分割ベースのリズムは、3小節目のみの登場です。
もしこの「2拍を三分割(四分音符の三連符)」のリズムが分かりにくい場合は、下図のように1拍の三分割の2つ分として数えると分かりやすいと思います。

2問目

ト長調(G dur)
3/4拍子
4小節・ト音譜表

2小節目頭、4小節目頭に、それぞれちょっと似ているリズムを使いました。
この判別が苦手だなと思う人は、まずはとにかく拍を二分割や三分割でカウントしながら聴いてみてください。
また、どうしても分からないという場合、次の拍の頭との近さで判別するという方法もアリかと思います。

3問目

ロ短調(h moll)
4/4拍子
4小節・ト音譜表

4問目

変ホ長調(Es dur)
4/4拍子
4小節・ヘ音譜表

5問目

二長調(D dur)
4/4拍子
4小節・ト音譜表
*アウフタクト

最後はなかなか難しい課題でした。
聴きとる音の多さ、複雑さはもちろん、記譜する量が多いことや、付点や三連符の記号などの書き忘れに注意する事、さらにアウフタクトなので最後の小節の拍数に注意する必要もあります。

おわりに

以上、ちょっと似ているリズムについてのレッスンでした。
練習問題が100点満点でなかった人も、何を間違えたのか、自分は何が難しいのかを把握するだけでも、確実に前進できているはずです。
今後のレッスンでもこれらのリズムも使っていくので、経験を積んでマスターしましょう♪