初級レッスンでは主要3和音について少し触れました。
また、中級レッスン13では音程を学びました。
今回は和音とコード(コードネーム)の基本を見てみたいと思います。

長音階上の3和音

これまでも散々みてきた図ですが、改めて音階構成音の上に3度ずつ音を重ねて、3和音を作ってみましょう。

長音階上の3和音

今回は3色に色分けしています。
赤、青、紫それぞれを比べてみます。

その前に…和音とコードの基本

和音は3度ずつ音を重ねて作りますが、下の音からそれぞれ
根音(ルート)、第3音(3rd)、第5音(5th)のように呼びます。
例えば「ドミソ」の和音があったとして、高さを入れ替えて低い方から「ミソド」という並びになったとしても、ルート(根音)はドであり、3rdはミであり、5thはソであることに変わりはありません。
これを踏まえた上で次に進みましょう♪

長三和音

まずは赤で囲んだ和音を見てみます。
長音階上の和音では、Ⅰ、Ⅳ、Ⅴが該当します。
根音(ルート)と第3音(3rd)の音程は長3度、
根音(ルート)と第5音(5th)の音程は完全5度です。
このような関係で成り立っている3和音を、長三和音といいます。
明るい馴染みのある響きです。

短三和音

短三和音

次に青で囲んだ和音を見てみます。
長音階上の和音では、Ⅱ、Ⅲ、Ⅵが該当します。
根音(ルート)と第3音(3rd)の音程は短3度、
根音(ルート)と第5音(5th)の音程は完全5度です。
このような関係で成り立っている3和音を、短三和音といいます。
暗く物悲しい響きがあります。

減三和音

減三和音

今度は紫で囲んだ和音を見てみます。
長音階上の和音では、Ⅶだけが該当します。
根音(ルート)と第3音(3rd)の音程は短3度、
根音(ルート)と第5音(5th)の音程は減5度です。
このような関係で成り立っている3和音を、減三和音といいます。
不安を感じるような、落ち着かないような響きといえば良いでしょうか?

短音階上の3和音

今度は和声的短音階の上に3度ずつ音を重ねて、3和音を作ってみましょう。

和声短音階上の3和音

同様に、青は短3和音、紫は減3和音、赤は長3和音です。
そして長音階には無かったタイプの3和音があります。
短音階第3音の上に作られた3和音で、緑のギザギザ線で囲んでいます。
以下で説明します。

ここでは和声的短音階を使いましたが、自然的短音階上と旋律的短音階上もよく使われます。

増三和音

増三和音

短音階上の第3音上の3和音のみにあるこの和音は、
根音(ルート)と第3音(3rd)の音程は長3度、
根音(ルート)と第5音(5th)の音程は増5度です。
このような関係で成り立っている3和音を、増三和音といいます。
こちらも不安定な印象の、不思議な感じの響きです。

コードとコードネームの基本

ここまで長3和音、短3和音、減3和音、増3和音を見てきました。
これらをコードネームで表すとどうなるでしょうか?
コードネーム表記には、以下の法則があります。

コードネームの書き方

まず根音(ルート)は、アルファベット大文字で書きます。
ドミソの和音ならば、根音は「ド」なので英語では「C」になります。

次に第3音(3rd)は、長3度ならば空白、短3度ならば「m(=マイナー)」を書きます。

次に第5音(5th)は、完全5度ならば空白、減5度ならば「♭」または「ー」、増5度ならば「aug」または「♯」または「+」を書きます。
(「aug」はオーギュメントの略。aug表記の場合は、右肩でなく右隣に書く)
その他、点線で囲んだ部分では4和音以上の話なので、今回は触れません。

さてそれでは音階上和音にコードネームを書き入れてみます。
4種類が登場する短音階で見てみましょう。

短音階 和音 コードネーム

先に…整理すると、第3音が長3度の場合は表記なし、第5音が完全5度の場合は表記なしなので以下の説明では省きます。
① Am:ルートが「A」、第3音が短3度なので「m」。
② Bm(-5):ルートが「B」、第3音が短3度なので「m」、第5音が減5度なので「(-5)」。
③ Caug:ルートが「C」、第5音が増5度なので「aug」。
④ Dm:ルートが「D」、第3音が短3度なので「m」。
⑤ E:ルートが「E」。
⑥ F:ルートが「F」。
⑦ G♯m(-5):ルートが「G♯」、第3音が短3度なので「m」、第5音が減5度なので「(-5)」。
となります。

混乱した時は、上記の法則に当てはめて落ち着いて考えてくださいね。

練習問題

今回は聴音ではなく筆記の問題です♪
以下の3和音の種類(長3和音・短3和音・減3和音・増3和音)とコードネームを答えてください。

おわりに

以上、和音とコードネームの基本についてのレッスンでした。
今後はコードネームも使ってレッスンを進めたいと思います♪