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コード進行04:切なくなったらⅣmの仲間かも

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「耳コピが出来るようになりたいけど苦手!」もしくは「これから耳コピを始めたい!」という方に役立つヒントを紹介する耳コピヒント集。
今回は切ない響きを持つⅣmとその仲間を見てみたいと思います!

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Ⅳmを確認しよう

長音階上に3和音を作ると、Ⅳは長三和音、
短音階上に3和音を作ると、Ⅳは短三和音でⅣmですね。

Ⅳmを確認しよう

このように、聴音においてのⅣmは、同主調のⅣを借りてきたものであり、サブドミナントマイナーと呼びます。
なので、長調の中に出てくるⅣmは、少し寂しいような、切ないような、明るい中の翳りを感じさせるような、独特の響きをしています。

Ⅳmを聞いてみよう

では実際にⅣmの響きを聞いてみましょう。

その1:ⅠーⅣm

ⅠーⅣm

ⅠからⅣmに行くのも、よくあるパターンです。
明るくはじまったかと思いきや、ちょっと切なさを思わせます。

その2:ⅠーⅠ7ーⅣーⅣm

ⅠーⅠ7ーⅣーⅣm

昔からあるお決まりのコード進行。
その特徴的な音を拾って、ハ長調ならば[ドー♭シーラー♭ラ]というベースラインを使うことも多々あります。
「聖者の行進」「It’s a small world」「赤い川の谷間」などでもお馴染みですね。

上の2例は特に多いパターンですが、Ⅳmはとにかく
Ⅰ、Ⅱm、Ⅲm、Ⅳ、Ⅴ、Ⅵm、Ⅶm(-5)
どこからでも繋げることの出来るコードです。(Ⅶm(-5)との連結は普通は無いですが)

Ⅳmの4和音も

今度はⅣmの4和音を見てみましょう。
それぞれの響きの特徴を確認してください。

Ⅳm6

まずはⅣm6から。
ハ長調ではFm6になります。
新たに加わった「レ」の音は、ハ長調の音階の構成音なので、よく馴染みます。

Ⅳm6

Ⅳm7

ハ長調ではFm7になります。
新たに加わった「♭ミ」の音は、ハ長調の音階の構成音ではありませんね。
そもそもハ長調を長調たらしめているのは、第三音である「ミ」の音です。
それが半音下がる(=短調と同じになる)ので、だいぶ空気が変わります。

Ⅳm7

ⅣmM7

ハ長調ではFmM7になります。
新たに加わった「ミ」の音は、ハ長調の音階の構成音ではあるのですが、ルートの「F」とは短2度すなわち半音という間柄。
このぶつかり合う音が、特殊な響きを醸し出すので、出現率は多くはありません。
でも効果的に使うと、とても印象に残る響きとなります。

ⅣmM7

Ⅳmの親戚(代理コード)

ちょっと切ないⅣm。
この切なさは、その調の第6音(ハ長調では「ラ」)が半音下がることが大きな要因ですが、その「♭Ⅵ」音を含む全く別のコードが、Ⅳmの代わりに使われることもあります。
音階構成音以外の音が増えるので、もう少し複雑な印象を与えますが、きっと聞いたことのある響きだと思います。
早速見てみましょう!

その1:♭Ⅵ6

ハ長調で言うならばA♭6ですが、これは上記のFm7と構成音が同じです。

その2:♭ⅥM7

ハ長調で言うならばA♭M7です。
ちょっと見てみましょう。

♭ⅥM7

上譜のように、Fmに7th、9thと音を重ねて行きFm9にすると、A♭M7と4つの音が共通になります。
なのでこれらは近しい関係です。
そしてF音が無くなったA♭M7はFm=短三和音の暗い響きが無くなります。
実際に曲の中で使ってみましょう。

Ⅳmの代理に♭ⅥM7

上の例ではⅠに続いて♭ⅥM7を使っています。
Fmの「m」が無くなった分、暗さはありませんが、ちょっと懐かしいような、それでいてハッとするような(この辺の感覚は個人差ですが)何かが感じられると思います。

その3:Ⅱm7(-5)

ハ長調ではDm7(-5)ですが、これは上で紹介したFm6と同じ構成音です。
ただ、m7(-5)なので、より暗い感じがします。

Ⅱm7(-5)

その4:♭ⅡM7

まだまだありますよっと。
今度は♭ⅡM7です。
これもちょっと譜面で見てみましょう。

♭ⅡM7

その2で見た♭ⅥM7はⅣmの上に音を重ねて行きました。
今度はⅣmの長3度下に音を重ねました。
これが♭ⅥM7です。
共通音が3音と多いですが、下に加えた音(ハ長調では♭D音)は音階構成音には無い音です。
さらにそのルートの♭Ⅱは、その調の第一音の半音上という立ち位置。
なので、曲の最後のⅠの前に使われることも多々あります。
(曲最後に♭ⅡM7を使うというのは昔から良くある手法です)

Ⅳmの代理に♭ⅡM7

その5:♭Ⅶ7

いよいよ最後です!
これまで紹介してきた中では、一番Ⅳm感が無いですが、♭Ⅶ7も代理コードのひとつです。
ハ長調ではB♭7です。
Fm(Ⅳm)との共通音は、「ファ」「♭ラ」です。
ただ「♭ラ」を強調しないと、あまりⅣm感は無いように思います。
Ⅳmの代理としてではなく、♭Ⅶ7として使われることも(ジャンルによりますが)よくあります。

♭Ⅶ7

練習問題

それでは練習問題にチャレンジしましょう♪

次の音源は8小節の曲で、各小節ごとに1種類の和音が鳴ります。
ⅣmまたはⅣmの仲間が何小節目に出てきたか、答えてください。
音をひとつずつ点で追うのではなく、和音の響きで聴き取ってみてくださいね。

正解:2、4、6小節目

おわりに

切なさを感じさせるⅣm。
同じ働きをする和音は、Ⅳm以外にも色々ありましたね。
何か曲を聴いて切なさを感じたら、その和音が何なのか探ってみてください。
ちょっと複雑な代理コードに慣れるには、プチ作曲(2〜4小節程度)で取り入れてみるのもオススメです。

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