まずはとても大切なこと。
拍を指で刻むことです。
(拍については後述)
これは初心者さんだけでなく、上級者さんや耳コピの仕事などでも役立つことなので、飛ばさずに正確に身につけてください。
では早速いきましょう!

(1)指で刻む

利き手でない方の指で、拍(後述)などを刻みます。
右利きの人は、左手の指を使います。
そして親指からスタートします。
すなわち、
「親指→人差し指→中指…」
の順に、
「1→2→3…」
となります。

聴音 カウント

(2)拍と拍子について

拍とは

「拍(はく)」とは、音楽のリズムを構成する単位で、「一拍(いっぱく)」、「二拍(にはく)」などのように数えます。
例えばとなりのトトロの「さんぽ」を思い浮かべて、それに合わせて歩いてみてください。
「さんぽ」が分からなければ、大晦日恒例の「第九」とか、「ミッキーマウスマーチ」とか。
その一歩一歩が一拍です。

拍子とは

上記の「拍」には、通常は強弱があります。
その強弱の連なりが「拍子」となります。

例えばワルツは
ズン、タッ、タッ|ズン、タッ、タッ|
のようなリズムですが、
「ズン」「タッ」「タッ」のそれぞれが拍、
「ズン、タッ、タッ」ひとまとまりが拍子となります。
「ズン」「タッ」「タッ」の3つの拍で一区切りなので、3拍子(3びょうし)になります。

(3)拍を指で刻む

さて、いよいよ本題です。
基本は、1拍ごとに指を動かします。
この世で一番多い拍子である4拍子では、
1(拍目):親指
2(拍目):人差し指
3(拍目):中指
4(拍目):薬指
という風に指で刻みます。
動画を撮ったので参考にしてください。

上の動画は、分かりやすいように指をはっきり動かして拍を刻んでいます。
慣れればこんなにしっかり動かす必要はありません。
無理な動かし方をして指を痛くしないよう、くれぐれも気をつけてください。
また、試験会場などでは音を立てて拍を刻むのはNGなので気をつけましょう!

(4)練習

早速、実際に拍を刻んでみましょう!
動画を用意したので、一緒に刻んでみてください。

4拍子の練習

上でも書いたように、
1(拍目):親指
2(拍目):人差し指
3(拍目):中指
4(拍目):薬指
の順番で動かします。

音源は、初めにカウントが4拍あります。
著作権切れの有名曲「きらきら星」の曲頭を使っています。

3拍子の練習

1(拍目):親指
2(拍目):人差し指
3(拍目):中指
の順番で動かします。

音源は、初めにカウントが3拍あります。
著作権切れの有名曲「眠れる森の美女(チャイコフスキー)」の一部を使っています。
タイトルでは知らなくても、聞けばきっと聞き覚えのある曲です♪

2拍子の練習

1(拍目):親指
2(拍目):人差し指
の順番で動かします。

音源は、初めにカウントが2拍あります。
著作権切れの有名曲「威風堂々(エルガー)」の一部を使っています。

(5)応用1:その他の拍子

上に挙げた4拍子、3拍子、2拍子の他にも様々な拍子があります。
例えば6拍子、5拍子、12拍子、9拍子など。
その他にもあります。
これらでの指使いは、他のページで書きます。

(6)応用2:拍以外を刻む時

たとえば「きらきら星」のように、一拍=一音の曲ならば上記の刻み方でも十分ですが、実際の多くの曲は、もっと細かく動きますね。
また、その音の長さが一拍しっかりあるのか、半分の長さなのかも重要です。
これらを正確に合理的に把握するためにも、指の刻みがとても便利です。
この場合、もっと細かく指を動かすことになりますが、これについては別のページで紹介します。

(7)おわりに

以上、聴音や耳コピに欠かせない「指での拍の刻み」の基本について書きました。
指を動かすのに慣れている人とそうでない人、この動作が楽な人と苦手な人、いろいろだと思います。
指に負担をかけぬよう、また指に集中するあまり耳が疎かにならぬよう、無理なく楽に動かせる自分流の動かし方を見つけてください。
そしてテレビCMなどで聞こえてきた曲に合わせて指を刻んでみるなど、慣れてください。