レッスン5の続きで、十六分音符に慣れるためのレッスンです。
これまでの(1)と(2)では、4分の○拍子での十六分音符を扱いましたが、今回は8分の6拍子での十六分音符について学びます。
八分の○拍子における十六分音符
これまでのレッスンでは、四分の○拍子における十六分音符を見てきました。
四分の○拍子では、十六分音符1つ分の長さは1/4拍でしたね。
今回は八分の○拍子における十六分音符の学習をしますが、八分音符を一拍と数える○/8拍子では、十六分音符の長さは1/2拍、つまりただの半拍です。あら簡単そう!
ただの半拍なので、パターンとその書き方、もしくは読み方に慣れてさえしまえば、難しいものではありません。
ちなみに○/8拍子は、6/8以外で割と使われるのが3/8、5/8、7/8、12/8などで、分子の数は無限なのでその他にもあります。
6/8拍子のリズムパターン(1)
では早速、十六分音符も加わった6/8拍子のリズムパターンを見てみましょう。
その1

3拍のうちの1拍が十六分音符2つになっているパターンです。
下の譜例を見ながら、まずはリズムを打ってみて、それが出来たら音名(ドレミ)で歌ってみてください。

その2
3拍のうちの2拍が十六分音符になっているパターンです。
こちらもリズム打ち→音名で音程を付けて歌うという練習をしてみてください。

6/8拍子のリズムパターン(2)
上記リズムパターン(1)では、表拍にすべて発音があるリズムでした。
今度はシンコペーションなどを含むリズムパターンの練習です。
裏拍を正しく取るには、表拍をしっかり感じることが大切です。
その1
シンコペーションだらけのパターンです。
拍の頭をしっかり意識してください。
音が3拍目から4拍目にまたがる時は、タイを使って4拍目の頭の位置を明確に示します。

その2
拍の表と裏とが入り混じったリズムです。
常に拍の頭を意識しましょう。

6/8拍子のリズムパターン(3)
一拍(=八分音符)より長い音符も組み合わせたパターンです。
その1
付点八分音符も取り入れたパターン。
付点八分音符は、6/8拍子では一拍半の長さを持ちますね。

その2
四分音符も取り入れたパターン。
後半の3拍目と4拍目の間は、タイを使って4拍目頭を明確に示すことを忘れないでください。

練習
それでは色々なリズムパターンを使った曲で練習しましょう。
拍を刻むことを忘れずに、表拍裏拍を意識しながら聴いて歌ってください。
難しい場合は、まずは音高は無視してリズムだけの練習をしてみてください。
その1
十六分音符に慣れるために、「半拍」を基準にして数えてみる練習もアリです。
付点八分音符=半拍3つぶん
八分音符=半拍2つぶん
十六分音符=半拍1つぶん
ですね。
譜面の丸は半拍一つぶんを表しています。色の違いは前後の音符との区別のためです。
ちなみに最初の「ソーーラソー」のリズムは、「きよしこの夜」の最初と同じです。

その2
シンコペーションを取り入れたフレーズです。

その3
四分音符は[半拍4つぶん]の長さですね。

その4
1小節目のシンコペーションは、一拍半の長さがタイで繋げて描かれています。
6/8拍子は3拍子を2つくっ付けた拍子でもあり、3拍子と同じように3拍目(と倍数である6拍目)の頭を明確にすることで、見やすく分かりやすい譜面になります。

練習問題
それではいよいよ聴音の練習問題をしてみましょう♪
1問ごとに少しずつレベルを上げています。
表拍裏拍、それぞれの音符の長さ、その書き方…
しっかり確認してくださいね。
1問目
イ短調(a moll)
6/8拍子
4小節・ト音譜表

2ヶ所ある八分休符も正しく答えられましたか?
2問目
ニ短調(d moll)
6/8拍子
4小節・ト音譜表

付点八分音符が1拍目・3拍目にあるパターンの練習でした。
3問目
ニ長調(D dur)
6/8拍子
4小節・ト音譜表

シンコペーションが多く登場するパターンでした。
十六分音符と八分音符の組み合わせ方でそれぞれどのような音符の書き方になるのか、目と耳とで慣れましょう。
4問目
変ロ長調(B dur)
6/8拍子
4小節・ト音譜表

さまざまなリズムパターンを使い、テンポも少し速くしています。
最後の小節の「♮ミ」を難しく感じた人もいると思います。
これは後のレッスンで説明しますが、ダブルドミナント(属和音の属和音)の構成音で特徴的な音であり、理論面から導き出すことも出来ます。
「聴音はやっぱり苦手!難しい!」という人ほど音楽理論は役立つので、諦めずにレッスンを進めてください。
5問目
ロ短調(h moll)
6/8拍子
4小節・ト音譜表

さらにテンポを上げ、様々なリズム、音の跳躍、タイなども盛り込みました。
どんなリズムの時でも、3拍目と4拍目の堺は明確に書いてください。
シャープ記号がたくさんありますが、ほとんどがロ短調旋律的短音階の第5、6音で、3小節目の「♯ミ」はその前後の音の間を埋めて繋ぐ経過音です。
おわりに
以上、16分音符に慣れる(3)のレッスンでした。
6/8拍子における十六分音符は、半拍の長さなので難しいものではないのですが、慣れないと書き方に戸惑うかもしれません。
書き方に戸惑うせいで聴音を難しく感じたり、時間を取られたり、ミスをしたりしてはもったいないです。
なので、「音符を見てリズムがすぐに分かる」「リズムを聞いてすぐに音符が書ける」ということが出来るように慣れてください。